理系研究者兼プロカメラマが人生が前向きになるような情報を心理、哲学などの分野から発信しています。

ラベル ドラマ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ドラマ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2020年1月16日木曜日

勝つこととは?生き方を描く『フォード VS フェラーリ』

『フォード VS フェラーリ』

演技、演出、ストーリー、音楽、映像全部が高い次元で調和した早くも今年ベスト級の傑作です!

まずは、レースカーのエンジン音、路面スレスレのカメラワークの迫力これだけで映画館で見る価値あり!

そして、タイトルとキャッチコピーから勝利を掴むまでのサクセスストーリーの話かと連想させますが、本質は違います!!この本質に本作の魅力が全て詰まっていると言ってもいい。

フォードとはご存知の通り、大量生産方式を生み出したいわゆる単純労働者の象徴。
一方、フェラーリとは上流階級が乗り回す車であり、職人、ブランドの象徴です。

これはつまり、サラリーマンの生き方、もっと言えば、集団の中の個人の生き方を説いた作品です。

ですので、サラリーマンとしての生活と夢、チームと個人の目標の相違、上層部と現場など、池井戸潤的なテーマを含みますが、その着地が本当に見事。

上層部や対戦相手を単純な悪者にするわけでもなく、チームや個人の勝利だけを求めるものでも無い。

名言連発の作品ですが、
"完璧なラップ(コース1周のタイム)を目指せ。それは誰でも見えるものじゃない"

やー、、、これに尽きます。

お前にとっての"完璧のラップ"とはなんじゃい!

という事を問いかけられる話です。

秀逸なラストをぜひ劇場で味わってくださいませ。。。

2020年1月9日木曜日

それぞれの立場が交錯する『おとなのけんか』

『おとなのけんか』(2011)

子供同士の喧嘩の和解のために集まった2組の夫婦の会話劇。

少し前の映画。知らなかった。。。
これ面白いです!!!

和解のために集まったはずなのに、子供への謝罪を要求から夫婦同士の喧嘩が始まり、家族、仕事、思想問題に1vs3、男vs女と次から次に立場が入れ替わり徐々に各人の心の闇が浮き彫りになる展開が見事!

見事すぎるので調べてみると戯曲『大人は、かく戦えり』を元にした映画。

俳優も豪華。
ジョディー・フォスター
ケイト・ウィンスレット
クリストフ・ヴァルツ
ジョン・C・ライリー

名前知らなくても見ればどこかで見たことあるはず。クリストフ・ヴァルツって007に出た時みたいな大悪党より、"嫌な奴"くらいがホント良く似合う。

コメディーなんだけど、笑えない瞬間があるのは、自分も同じ境遇だと気付かされる時。

エンドロールまで秀逸!
良いもの見たな~という感覚に浸れる秀作です!



2020年1月4日土曜日

積み重ねた年月でしか語れない物語『男はつらいよ お帰り 寅さん』

event_note1月 04, 2020 editBy kphoto0823


【感想】積み重ねた年月でしか語れない物語『男はつらいよ お帰り 寅さん』


言わずと知れた山田洋次監督の『男はつらいよ』のシリーズ第50弾にして23年ぶりの新作。

オープニングはお約束の夢落ち。

テー、テレレレレレレーとタイトルと共にオープニング曲が流れるとはスターウォーズのテーマと同様にアガる。


そして、もう泣いてしまう。


あー、男はつらいよ…だ。

小説家になった満男(吉岡秀隆)と初恋相手、泉(後藤久美)の二人を中心に寅さんを思い出しながら、寅さんがやってたことを満男がなぞるように体験するお話ですが、懐かしさと共に役者の年月の経過をただただ味合わされる作品でした。

とらやの居間のシーンで画面の真ん中に必ず映る介護用の手摺が年月の長さを強調します。

ただ、画面には年月の経過が表現されているのに、何でもないシーンで、倍賞千恵子演じるさくらが、"お兄ちゃんが帰ってくるかもしれないから、布団置いてあるのよ"(うる覚え)とサラッと言った事。

現実とリンクして年月を重ねる役者とは正反対に、

この世界ではまだ寅さん生きてるんです。

スクリーンの向こう側から寅さんこと渥美清が語りかける。

これぞ映画。

そして、寅さんを思い出せば人生を考えさせられる。


劇中でも引用される、『男はつらいよ』の第三十九作目、『寅次郎物語』の台詞。

満男:「人間は何のために生きてんのかな…」

寅:「あー生まれてきてよかった! そう思うことが何べんかあるだろう。 人間そのために生きてんじゃねえのかなぁ」

これに尽きます。


人生同様に積み重ねた年月でしか語れないほとんど奇跡のような物語。


この作品に出会えたことに感謝しかありません。






『男はつらいよ』を視聴するには?

下記の『U-NEXT』がおすすめです。
スマホ、タブレット、PC等インターネットに接続できればいつでも視聴可能!

『男はつらいよ』はこれまでの全49作品が見放題です!

通常であれば月額1,990円(税抜)ですが、現在31日間の無料トライアル期間中です。

31日以内に解約すれば無料で視聴可能ですのでぜひお試しください。

U-NEXT

2019年12月28日土曜日

愛おしすぎるキャラクターの反抗期ドラマ『このサイテーな世界の終わり』

event_note12月 28, 2019 editBy kphoto0823
Netflixで度々表示されるので仕方なく見て見ましたが…

面白い!!
一気に1&2シーズン見てしまいました!!

無感情なサイコパスなジェイコブと自分の人生にうんざりしているアリッサの2人の逃避行。


1話20程度のドラマ形式物語。
この適度な長さも良い!

まずオープニングのタイトルの出方でこれは良い作品だ!と思わせる力がある!

音楽、編集のテンポがすごく良くてどんどん引き込まれる。


正直、劇中に使用されている音楽には詳しくないのですが、危機的な状況にムーディーな音楽がかかったり、ノリノリの音楽で楽しい雰囲気かと思ったら突然ブチっと途切れたり、劇中の登場人物に感情移入しやすいように作用しています。

そして、何と言っても2人のキャラクターがいい!

無感情でサイコパスのジェイコブ
世界へ失望と破壊を望むのアリッサ

最初はそんな風に見えるのですが、実はこの世界で生きて、誰かに愛されたいと願う二人。

もー、そのもどかしさが愛おしい…!

そんな、内面描写をセリフで説明するといううんざりするな手法が多用されますが、セリフのテンポがいいので、表面+内面の掛け合いがコミカルで楽しい。

そして、2人が凄く生きたキャラクターになってるので、ドラマ形式でもずっと見てられる!






"シーズン1予告編"

"シーズン2予告編"

2017年に第1シーズン、
2019年に第2シーズンがそれぞれ配信され、実際の時間軸とキャラクターの時間軸が同じなのでしょうか

『ビフォアシリーズ』のように役者の年齢の積み重ねがキャラクターの深みになるようなシリーズになるようになると面白いな、なんて思います。


『ビフォア・ミッドナイト』

そう考えるともし第3シーズンが配信されるとしたら、彼らがまた成長した悩みを抱えたストーリーが展開されるのでしょうか。

久しぶりにこんなに素敵なキャラクターに出会うことが出来ました。

次シーズンあればぜひ見たい!

2019年10月5日土曜日

拠り所を奪われた人生の自己実現『ジョーカー』

バットマンの宿敵ジョーカーの誕生談。

ホアキン・フェニックスの演技、青とオレンジのライティング、印象的な構図、弦楽器の重厚な音楽と言いたいことありますが、テーマについて思った事つらつらと。

本作の大きなテーマの一つが格差社会。

昨今の多様性を象徴した人種、性、趣向のマイノリティーをテーマとした一環としての貧困を描いた作品とも読み取れます。

認知すらされない存在としての貧困層。
先日紹介した『アス』にも通ずるテーマ。

貧困に病気、人間関係、暴力。
少しでも希望があれば、

笑いなよ。
自分を認めなよ。
自分の殻を破ろう。



逆境に押しつぶされ、そんな言葉を全て裏返しで解釈して、自己実現を達成していく狂人の物語の様に思いました。

"人生は主観でどう解釈する事もできる、自分の人生は喜劇だ"

主観で解釈すれば他人なんて関係ない。
そして、自分の人生を生きる結果として秩序を崩壊させる。

だって面白いから。

一見すると自由に見える秩序を破壊する人の末路は、20世紀を芸術、哲学の分野でも、過去の慣習や神や秩序の否定をして、信念の拠り所無くなった人達が精神的に不安定になる例が見られます。

ジョーカーも即物的な破壊の快楽に溺れ、飽きるとバットマンを困らせるという繰り返しをする事になります。

秩序の崩壊は誰かの勇気になり、新たな誕生の始まりとなりますが、その当事者は拠り所の無い孤独と戦い続ける事が運命付られているような気がします。

殴られても泣き寝入り、誰も助けてくれない誰か世界を壊して欲しいという人にとってジョーカーみたいなキャラクターがダークヒーローの様に映る訳ですが、上記のように、何かを破壊するなら、生み出す事を同時に考えないと本人はやっぱ苦しい。

この映画がいま評価されるということは破壊を懇願するほど今の政治の腐敗、経済の不平等に憤りを感じている人が多いという事でしょう。

狂った世界で生きるという意味では『天気の子』とも比較したくなります。。

希望を持てるか。

終始考えさせられる作品でした。


韓流LP

ところで、このジョーカーを見た方はぜひぜひ『レゴバットマン』を見て頂きたい!!!



有識者の間ではバットマン史上最高傑作と言われる本作ですが、なぜこの狂人ジョーカーと孤独なバットマンが永遠のライバルなのか、重要な共通点が描かれた良作です。





韓流LP