理系研究者兼プロカメラマが人生が前向きになるような情報を心理、哲学などの分野から発信しています。

2020年1月16日木曜日

勝つこととは?生き方を描く『フォード VS フェラーリ』

『フォード VS フェラーリ』

演技、演出、ストーリー、音楽、映像全部が高い次元で調和した早くも今年ベスト級の傑作です!

まずは、レースカーのエンジン音、路面スレスレのカメラワークの迫力これだけで映画館で見る価値あり!

そして、タイトルとキャッチコピーから勝利を掴むまでのサクセスストーリーの話かと連想させますが、本質は違います!!この本質に本作の魅力が全て詰まっていると言ってもいい。

フォードとはご存知の通り、大量生産方式を生み出したいわゆる単純労働者の象徴。
一方、フェラーリとは上流階級が乗り回す車であり、職人、ブランドの象徴です。

これはつまり、サラリーマンの生き方、もっと言えば、集団の中の個人の生き方を説いた作品です。

ですので、サラリーマンとしての生活と夢、チームと個人の目標の相違、上層部と現場など、池井戸潤的なテーマを含みますが、その着地が本当に見事。

上層部や対戦相手を単純な悪者にするわけでもなく、チームや個人の勝利だけを求めるものでも無い。

名言連発の作品ですが、
"完璧なラップ(コース1周のタイム)を目指せ。それは誰でも見えるものじゃない"

やー、、、これに尽きます。

お前にとっての"完璧のラップ"とはなんじゃい!

という事を問いかけられる話です。

秀逸なラストをぜひ劇場で味わってくださいませ。。。