『フォード VS フェラーリ』
演技、演出、ストーリー、音楽、映像全部が高い次元で調和した早くも今年ベスト級の傑作です!
まずは、レースカーのエンジン音、路面スレスレのカメラワークの迫力これだけで映画館で見る価値あり!
そして、タイトルとキャッチコピーから勝利を掴むまでのサクセスストーリーの話かと連想させますが、本質は違います!!この本質に本作の魅力が全て詰まっていると言ってもいい。
フォードとはご存知の通り、大量生産方式を生み出したいわゆる単純労働者の象徴。
一方、フェラーリとは上流階級が乗り回す車であり、職人、ブランドの象徴です。
これはつまり、サラリーマンの生き方、もっと言えば、集団の中の個人の生き方を説いた作品です。
ですので、サラリーマンとしての生活と夢、チームと個人の目標の相違、上層部と現場など、池井戸潤的なテーマを含みますが、その着地が本当に見事。
上層部や対戦相手を単純な悪者にするわけでもなく、チームや個人の勝利だけを求めるものでも無い。
名言連発の作品ですが、
"完璧なラップ(コース1周のタイム)を目指せ。それは誰でも見えるものじゃない"
やー、、、これに尽きます。
お前にとっての"完璧のラップ"とはなんじゃい!
という事を問いかけられる話です。
秀逸なラストをぜひ劇場で味わってくださいませ。。。