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■一言感想
強烈なバイオレンス描写で正義を問うドライな韓国ノワール
強烈なバイオレンス描写で正義を問うドライな韓国ノワール
■好き度
★★★★☆
★★★★☆
■概要
北朝鮮の工作員、韓国の警察、国家情報院、CIAがそれぞれの思惑を胸に、北朝鮮のVIPでありながら人を殺すことを何と思わない猟奇的な殺人鬼を追う話。
■感想
監督が『新しき世界』のパク・フンジョンということで、韓国ノワール映画特有の"暗く"、"痛く"、"激しい"ノワール映画。まさに期待通り作品!
オープニングから重苦しい空気に包まれ、誰が何を追っているのかわからない。ただ、悲しみと怒りを抱えた一人の韓国人の男が粛々と人殺しの仕事をこなそうとしているという事だけ伝わってくる。この張り詰めた緊張感が今後の展開を予感させます。。
が!
正直、このオープニングの出来事を後半には全然忘れていました。。
恐らく多くの人が、その後に起きる本編に引き込まれて、エピローグで突然オープニングに引き戻される感覚を味わうのではないでしょうか。観客を唸らせるラストにつながるこの構成力さすがです。
最初のレストランでアメリカ人と思われる男のステーキにたばこを押し付ける韓国人の男。。
ステーキにたばこ押し付けるなんてもったいない!!!この悪人め!!なんて思ったのですが、これが本編を最後まで見ると、この行動も納得。。
ステーキにたばこ押し付けるなんてもったいない!!!この悪人め!!なんて思ったのですが、これが本編を最後まで見ると、この行動も納得。。
そして、韓国ノワールならでは猟奇殺人の現場の描写がかなり衝撃的で、痛い。。ただただ痛い。。。もうキム・グァンイル絶対裁かれろ。。
この殺人鬼を追いつめたと思いきや、手を出せない!だったらこうやる!という手を変え品を変え、敵が味方になり、味方が味方を呼び、徐々に殺人鬼を追い詰めていくという点ではいわゆる犯罪アクションとして引き込まれます。
そして、少し見方を変えると、北朝鮮のVIPかつ権力と金に守られた殺人鬼であり、いわゆる社会のルールでは裁くことのできない相手への制裁という点で、ある種のダークヒーローの誕生談のような解釈もできるところも面白い点だと思います。
■監督は韓国ノワール映画の巨匠 パク・フンジョン
『新しき世界』で監督としての地位を確立したパク・フンジョンは本作について"TSUTAYA"のインタビューで以下のように語られています。
犯罪組織に長年潜入していた警察官が組織の後継者争いに巻き込まれる『新しき世界』(2014)も骨太のクライムサスペンス。素晴らしい作品です。
最新作は『The Witch/魔女』(2018)
こちらはアクション映画色が強いようです。見たいなぁ。
原題 V.I.P.
製作年 2017年 (日本劇場公開:劇場公開日 2018年6月16日)
製作国 韓国
配給 クロックワークス
上映時間:128分
映倫区分:R15+
■スタッフ
監督:パク・フンジョン
脚本:パク・フンジョン
イ・ジョンソク:キム・グァンイル
パク・ヒスン:リ・デボム
ピーター・ストーメア:ポール・グレイ
■キャスト
チャン・ドンゴン:パク・ジェヒョク
キム・ミョンミン:チェ・イドイ・ジョンソク:キム・グァンイル
パク・ヒスン:リ・デボム
ピーター・ストーメア:ポール・グレイ