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2019年7月13日土曜日

人生の意味付けは自分で出来る!『トイストーリー4』

event_note7月 13, 2019 editBy kphoto0823
傑作!!!

正直トイストーリーシリーズにはそんなに思入れないのですが、これはディズニー・ピクサー作品の文脈でも、また新しい境地に達した傑作です!!!

トイ・ストーリーシリーズはこれまでの3作品で以下のような価値観の提示を行ってきました。

1作目:おもちゃと遊ぶこと
2作目:おもちゃの本当の幸せ
3作目:おもちゃの継承

これらは全て"おもちゃ"で表現されていますが、本質的には"人生"を描いており、トイ・ストーリー3では、すべての子供を喜ばせるおもちゃが次の世代へ引き継がれるという完璧な着地をしており、いま続編を作るというのは大変なリスクを伴うわけです。

しかし、映画評論家が"本作でディズニー・ピクサーが存在する限り作られるシリーズになる可能性が高い"

とコメントしており、自分も同感。

なぜ、トイ・ストーリーを作り続ける必要があるのかというと、先ほど述べた通り、この作品には人の生き方に対する価値観を提示するという属性があり、1~3作目で提示した一つの幸せの方向性だけでは語ることが出来なくなってきたからだと思われます。

これまでは"おもちゃは子供のために存在する"

価値観を軸に物語が展開されてきましたが、果たしてその使命だけが生き方なのか??

今回は主要なキャラクターの価値観が異なります。

■ウッディー(主人公のカウボーイ)
子供の幸せ最優先だが、自分にはその役目が終わったのではないかと考えている。

■ボー(ウッディーの恋人おもちゃ)
子供の愛情はわかるが、子供はすぐに成長して、忘れる。自由に生きたい。

■フォーキー(フォーク形の手作りおもちゃ)
生まれたばかりのおもちゃ。自分はゴミ。ゴミだと思っている方が楽。

■ギャビー・ギャビー(骨董品のおもちゃ)
足りない"モノ"埋めることが出来れば、愛されると考えている。

今回のテーマの一つは「迷子」

多種多様な価値観のある世界に生まれ、何を指針に生きればいいかわからない人々を象徴するのが「迷子」

それして、これら多種多様な価値観とそれぞれの幸せのために起こる対立の中で、ディズニー、ピクサーとして、現時点でどのような回答として提示されたのが、

「内なる声」、「愛」

本作の着地に本当に唸らされました。。。
具体的な結末についてはぜひ劇場で見て頂きたい!!

ところで、

「内なる声」については、動物たち多様な価値観の中で、自分の生き方を模索するウサギのジュディの仕事論を描いた作品『ズート・ピア』との比較が面白いです。

また、対女性に対する「愛」という側面で考えると、女性の自立を描いたプリンセス・シリーズの最新作であり、王子が不在の同ディズニー作品の『シュガーラッシュ2』とのラストの比較が面白い。

『シュガーラッシュ2』主人公"ラルフ"と"ウッディー"の人生観の違いがはっきり出ています!!本作を見る前にぜひ見て欲しい!!

世の中が彼らの価値観の変化、成長を受け入れ、興行的な成功を収める事が前提ですが、5年、10年後に今の価値観が古くなった時に新しい生き方を提示してくれるシリーズになるはず。

幼少期にこういう作品を見た子供はきっといい大人になると思うなぁ。。